Minds1020Labが NPO法人第3の家族が実施する「家庭環境による価値観の変化」等に関する調査について連携研究を開始
Minds1020Labは、横浜市立大学特任助手の奥村春香が代表を務めるNPO法人第3の家族*1との連携で、本拠点で構築を目指している「メタケアシティ」構想のターゲットとする、全国の15歳〜25歳以下の男女を対象に、「家庭環境による価値観の変化」「家庭を自分の場所と感じられていない若者実態」についての調査結果から、拠点の目指す「若者の生きづらさに寄り添い、心の強靭さ(心理的レジリエンス)の獲得」につながる研究を進めます。
本調査は若者の家庭環境による価値観の変化や、家庭が居場所だと感じない若者の実態を調査・発信することで、家庭環境問題に悩む人が「傷ついていることに気づく」ことを第一の目的とし、さらにそれに対して社会が「立ち止まって考える」きっかけを作ることを第二の目的としています。調査の結果、家庭が自身の居場所である(そう思う・どちらかといえばそう思う)と答えた男性は146名のうち72名(男性の49.3%)、女性は254名のうち128名(女性の50.3%)、居場所でない(そう思わない・どちらかといえばそう思わない)と答えた男性は74名(男性の50.7%)、女性は126名(男性の49.6%)でした。
1) 家庭環境による価値観の変化
家庭環境による価値観の変化に関する調査の結果として、「家庭が居場所でない若者」は、「家庭が居場所である若者」に比べ、「心の病気を発症するリスクが高い」「結婚に億劫になりやすい」「パパ活やママ活に足を踏み入れやすい」「社会貢献の経験が少ない」「人を信用しにくくなる」と感じている人が多く見られました。「家庭が居場所でなくなった」理由として現れていたのは、「両親ともに働いていない家庭」「きょうだいがいない家庭」がありました。その他にも、自身の両親に対して「親ガチャに失敗した」「自分の親が毒親だと思う」と答えた若者はともに全体の14%以上となりました。
2) 家庭を自分の居場所と感じられていない若者の実態
調査の結果として「家庭が居場所でない若者は、普通の子に見えるように嘘をつく」「自分のような家庭環境を繰り返さないようにしたい」と感じていることが現れていました。 家庭環境において若者を悩ませる種として、「人格否定・理想の押し付け・過保護が子どもを悩ませる」といった結果が現れており、これらの”救い”として「家庭が居場所でない人」を対象として、家で嫌なことがあった時の「救い」を回答いただいたところ、「音楽」36%、「好きな推し」31%、「SNS」「睡眠」がともに24%でした。
今後の展開
第3の家族では、家庭環境に悩む少年少女が居場所を見つけるための「環境構築」に取り組み、「少年少女が傷ついていることに気づく」ことより、「周囲の人が問題に関心を持ち、支える」ムーブメントを作る一歩を生み出せるよう、仮説・検証のサイクルを繰り返します。
この調査結果から見える「若者の悩みの種」と「現状」、さらにそれを「救う」ものに着目し、Minds1020Labでは、個人の特性に合ったコンテンツの提供が可能な、若者にとって心理障壁の低いメタバースプラットフォーム(本拠点では「メタケアシティ構想」と定義)の構築を引き続き進めてまいります。
用語説明
*1 第3の家族:家庭環境に悩むはざまの少年少女が「自分の居場所は他にもある」と思えるような「寄り添うための寄り添わない支援」。それぞれの状況や気持ちに合ったサービスを展開し、自分の居場所を見つけることができる「状態」を遠くから構築支援する団体。Minds1020Labのメンバーでもある奥村春香が代表を務める。
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